物流現場で使われる「オーバーハング」とは、荷物がパレットや棚などの端からはみ出している状態を指します。
パレットへ積載した段ボールなどが外側へはみ出すと、接触や荷崩れ、商品破損などにつながるため注意が必要です。
特にパレット輸送では、積載効率を優先して荷物を詰め込みすぎることで、意図せずオーバーハングが発生する場合があります。

本記事では、オーバーハングが発生する原因や考えられるリスクについて解説します。

オーバーハングが発生する主な原因

オーバーハングは、パレットと荷物のサイズが合っていない場合や、積み付けパターンを十分に検討していない場合に発生しやすくなります。
また、1つのパレットへできるだけ多くの荷物を積もうとして、積載効率を優先した結果としてはみ出すケースもあるでしょう。

はじめに、オーバーハングが発生する主な原因について解説します。

荷物の縦横寸法とパレットのサイズが合っていないと、整然と並べても端から荷物がはみ出すことがあります。
特に、決まったサイズの段ボールを既存のパレットへ載せる場合、1段あたりの積載数を増やそうとするとオーバーハングが起こりやすくなるでしょう。

そのため、荷物の寸法を事前に確認し、パレット内へ収まる配置を検討することが大切です。
サイズが大きく異なる場合は、積み方だけでなく使用するパレット自体の見直しも検討してください。

パレットへの積み方には、荷物を同じ向きに並べる方法や、向きを変えながら組み合わせる方法などがあります。
荷物の寸法に合わないパターンを選ぶと、一部がパレットからはみ出したり、大きな隙間が生まれたりすることがあるでしょう。

また、パレットから荷物がはみ出す場合は、1段あたりの積載数を減らすなどして調整する必要があります。
そのため、1段あたりの個数だけで判断せず、安全に収まる積み付けパターンを選ぶことが重要です。

オーバーハングによって起こる主なリスク

オーバーハングした状態では、荷物の一部がパレットで支えられないため、段ボールの変形や商品破損につながる可能性があります。
また、フォークリフトで移動する際やトラックへ積み込む際に、周囲の荷物や設備へ接触するリスクも高まるでしょう。

ここからは、オーバーハングによって起こる主なリスクについて解説します。

段ボールは角や側面を含めた構造全体で荷重を支えますが、オーバーハングすると本来パレットで支えられる部分が宙に浮く場合があります。
その状態で上から荷重が加わると、下段の段ボールが変形したり、つぶれたりすることがあるでしょう。

また、オーバーハングすると、段ボールの角など荷重を支えやすい部分がパレットから外れ、箱のつぶれや変形につながるおそれがあります。
さらに外装が変形すれば、内部の商品まで損傷するかもしれません。

オーバーハングによって下段の荷物が変形すると、その上に積まれた荷物の水平状態を維持しにくくなります。
また、積載全体の重心が偏れば、フォークリフトでの運搬やトラック輸送中の振動によって荷崩れするかもしれません。

さらに、下段の荷物がつぶれると積載全体のバランスが崩れ、荷崩れにつながることもあるでしょう。
ストレッチフィルムなどで固定していても、積み付け自体が不安定であれば十分な対策にならない場合があります。

パレットから荷物がはみ出していると、フォークリフトで搬送する際に棚や柱、周囲の貨物などへ接触する可能性が高まります。
また、トラックへ複数のパレットを積載する場合は、隣接する荷物同士が押し合って外装を傷めることもあります。

さらに仮置きや移動、トラックへの積み込み時には、周囲の貨物や設備へ接触するリスクも高まるでしょう。
通路幅や積載スペースが限られる現場では、特に注意が必要です。

オーバーハングを防ぐための対策

オーバーハングを防ぐには、荷物のサイズとパレット寸法を事前に確認し、積載面の内側へ収まる積み付けパターンを設計することが基本です。
また、単純に1段あたりの積載数を増やすのではなく、荷物全体の安定性や輸送時の安全性も考慮してください。

以下では、オーバーハングを防ぐための対策を解説します。

まずはパレットの縦横寸法と段ボールのサイズを確認し、荷物が外側へ出ない配置を決めましょう。
同じ向きへ並べるだけでは収まりにくい場合でも、荷物の向きを90度変えたり、複数の方向を組み合わせたりすることで収まりが改善する場合があります。

ただし、積載数を増やすために無理にはみ出させる方法は避けてください。
なお、荷物がパレット内に収まらない場合は、1段あたりの数量を減らすか、より適したサイズのパレットを使用することも検討しましょう。

オーバーハングを防ぐ際は、荷物をパレット内へ収めるだけでなく、荷重の偏りも避けることが大切です。
カートンなどを積載する際は、パレットの積載面全体へ荷重が偏らないよう、均等に配置することが重要です。

また、一部分に重量が集中するとパレットや荷物へ負担がかかり、荷崩れにつながる可能性があります。
そのため、重い荷物を下段へ配置するなど、重量と重心のバランスも確認しながら積み付けてください。

積み付けが完了した後は、ストレッチフィルムやバンドなどを使ってパレットと荷物を一体化すると、輸送中の横ずれや荷崩れを抑えやすくなります。
特に複数種類の荷物を同じパレットへ積載する場合は、外周から荷物が動かないように固定することが重要です。

ただし、フィルムを巻けばオーバーハングしていても問題ないわけではありません。
そのため、まずは荷物をパレット内へ適切に積み、そのうえで固定することが大切です。

オーバーハングを防ぐ積み付けなら「バンニングマスター」

オーバーハングを防ぐには、荷物のサイズとパレット寸法を確認し、はみ出しや大きな隙間が生じない積み付けパターンを検討することが重要です。しかし、荷物の種類やサイズが多い現場では、パレット内に収めながら積載効率や重量バランスまで考慮して配置を決めるのは簡単ではありません。

積付シミュレーションシステム「バンニングマスター」を活用すれば、荷物のサイズや数量などの条件をもとに、パレットへの積み付けパターンを自動計算できます。積み付け結果を事前に確認できるため、オーバーハングを避けながら、積載効率の向上や積み付け作業の効率化を支援します。

  • パレットへの積み付けを自動計算:荷物のサイズや数量に応じた積み付けパターンをシミュレーションできます。
  • 積み付け状態を事前に確認:計算結果を3Dで確認でき、荷物の配置や空きスペースを把握できます。
  • 積載効率の向上を支援:パレット内のスペースを有効活用し、効率的な積載計画の作成につなげられます。

オーバーハングを防ぎながら、パレットへの積み付け作業を効率化したい企業様は、ぜひ「バンニングマスター」をご活用ください。

項目内容
サービス名バンニングマスター(Vanning Master)
主な機能積付シミュレーション、積載最適化計算、積み付け図作成
導入実績累計513ライセンス / 1,076社
対象業界自動車、電子部品、食品、建材、通販、官公庁など
導入メリット積載率の向上、物流コスト削減、人件費・作業負担の抑制

まとめ|オーバーハングを防いで安全なパレット輸送につなげよう

物流におけるオーバーハングとは、荷物がパレットや棚の端から外側へはみ出している状態です。
特にパレット輸送では、段ボールの一部が積載面から出ることで、商品破損や荷崩れ、周囲の荷物・設備との接触につながる可能性があります。

主な原因は、パレットと荷物のサイズが合っていないことや、不適切な積み付けパターンです。
対策としては、パレット内に収まるよう積み方を設計し、荷物を均等に配置することが基本となります。
さらに、積み付け後はストレッチフィルムなどで固定し、輸送中のずれを防ぎましょう。
安全性と積載効率を高めるためにも、荷物のサイズや重量に合ったパレタイズを行うことが大切です。