トラックの積載率は、輸送コストや車両の稼働効率、環境負荷に直結する重要な指標です。
しかし、積載効率や実車率との違いが曖昧なままでは、現場の課題を正しく把握できず、改善策も的外れになりかねません。

本記事では、トラック積載率の基本定義や計算方法、国内で低下が続く背景、積載率を高めるメリットと具体的な改善策を解説します。
物流の2024年問題や人手不足対応のため、限られた車両と人員を有効活用したい方は、ぜひ参考にしてください。

トラックの積載率とは?物流業界における基本定義

トラックの積載率は、最大積載量に対して実際に積んだ荷物の量を示す指標です。
運行効率やコスト、環境負荷を把握するうえで欠かせず、物流改善の出発点にもなります。

まずは、トラック積載率が持つ意味と関連指標との違いを確認していきましょう。

トラック積載率は、車両の最大積載量に対して実際の積載量がどの程度あるかを表す指標で、輸送の無駄や車両活用の偏りを見つける基本的な数値として使われます。
数値が高いほど、1回の運行で多くの荷物を運べている状態です。

また、積載率を継続して確認すると、燃料費や人件費の削減につながる便を見つけやすくなります。
特に、定期便では数値の変化を追うことで、配車や積み合わせを見直すきっかけになるでしょう。

一方で、積載率だけでは荷台の空きや走行距離の無駄までは判断できません。
日々の運行データとあわせて見ることで、改善すべきルートや便の優先順位を整理しましょう。

積載率は、個別車両の最大積載量に対する実積載量の割合で、公的統計で使われる積載効率(輸送トンキロ÷能力トンキロ×100)と区別しています。
一方、実車率は荷物を載せて走った時間や距離が、全体の運行に占める割合を表す数値です。

3つを分けて確認すると、車両の荷台活用、積み込み方法、空車走行の課題を整理しやすくなるでしょう。
特に、積載率が高くても荷台に空きが多いケースや、実車率が低く空車走行が多いケースでは、改善の方向性が異なります。

トラックの積載率・積載効率・実車率の計算方法

積載率・積載効率・実車率は、いずれもトラック輸送の生産性を判断する重要な数値です。
しかし、基準となる対象や計算に使う要素は異なります。
重量、荷台空間、走行状況のどこを見るかを分けて理解すると、現場の課題を数値で把握しやすく、改善策の検討にも役立ちます。

ここでは、トラックの積載率・積載効率・実車率の計算方法を確認していきましょう。

積載率は、最大積載量を基準に求められます。
計算では、実際に積んだ荷物の重量を最大積載量で割り、100を掛けて割合を出します。

例えば、最大積載量10トンの車両に8トンを積むと、積載率は80%です。
計算式は「実際の積載量÷最大積載量×100」と整理できます。

ただし、重さだけで判断すると、荷台に空きが残っている課題を見落とすおそれがあります。
車両ごとに定期的に算出すれば、積載の偏りや改善すべき運行の傾向を把握しやすくなり、積み合わせや配車の見直しにもつながるでしょう。

積載効率は、荷台容積に対して実際に使用した容積の割合として確認できます。
なお、公的統計上の積載効率は輸送トンキロ÷能力トンキロ×100で定義されます。
例えば、小さな箱を整えて積むのか、大きな箱を隙間なく積むのかによって、同じ重量でも結果は変わってくるでしょう。

見た目のだけでは空間利用の良し悪しを正確に判断できません。
荷台の体積ベースで確認すると、空きスペースの発生箇所が見えやすくなり、荷物のサイズに合う車両を選ぶ材料にもなります。

実車率は、トラックが荷物を載せて走った時間や距離を、全体の運行時間や走行距離で割って求める指標です。
例えば、100kmの運行のうち70km、荷物を載せて走ると、実車率は70%です。
そのため、実車率を見れば、空車走行や待機時間の多さを把握できます。

また、積載率とあわせて確認すると、荷物を載せている車両がどれだけ効率よく運んでいるかを判断しやすくなるでしょう。

日本国内のトラック積載率が低下し続ける背景

日本国内でトラック積載率が低下し続ける背景には、消費行動の変化と物流現場の人手不足があります。
特に、EC市場の拡大による多頻度小口輸送の増加は、運行量に対して1便あたりの積載量を下げる要因になっています。
また、運転手不足が進み、限られた人員で配送シフトを組む必要がでてきたことも影響しているでしょう。

ここでは、日本国内のトラック積載率が低下する背景を確認していきます。

EC市場の拡大により、消費者は少量の商品を短い間隔で注文するようになりました。
そのため、配送は多頻度小口化し、従来と比較して細かな対応が必要となっています。
1台のトラックでまとめて運べる荷物が少なくなると、便数や立ち寄り先が増え、積載率の低下につながります。

また、配送時間の指定や即日配送への対応が重なると、荷物を十分に積み合わせる前に出発する必要も生じるでしょう。
一方で、需要の変化に合わせて共同配送やルートの最適化を進めることができれば、同じ車両で運べる荷物量を増やすことにつながります。

近年、トラック運転手が不足する一方で、物流量は増え続けており、人員と輸送需要のバランスが問題となっています。
限られた人員で多くの配送に対応する必要があり、結果として、積載率の低下が起こりやすい状況が発生しているのです。

この時、労働環境が同じ状態で運行数を増やすと、現場の負担が重くなってしまいます。
例えば、共同配送やAIを使った配車管理を取り入れるなど、現場で工夫をすることで、ドライバーの負担を抑えながら輸送を効率化しやすくなるでしょう。

また、労働現場の仕組みづくりを見直すことで、安定した輸送力を維持することも可能です。

トラック運送業で積載率を向上させるメリット

トラック運送業で積載率を高めるメリットは、単に荷物を多く積めるだけではありません。
1台あたりの輸送量が増えると、必要な運行回数を減らしやすくなり、燃料費や人件費、車両維持費の抑制につながります。

ここでは、トラック運送業で積載率を向上させるメリットを確認していきます。

積載率が上がると、1回の運行で運べる荷物量が増え、同じ輸送量に必要な運行回数を減らしやすくなります。
そのため、車両の燃料費だけでなく、人件費や車両メンテナンス費の抑制にもつながります。
積載状況を数値で管理することで、非効率な運行や空きスペースが多い車両を把握しやすく、継続的な輸送コスト改善にもつながるでしょう。

ただし、積載率の改善は一度で大きな成果を出す施策ではありません。
しかし、小さな見直しを継続することで、年間の輸送コストに差が生まれ、経営改善にも着実に貢献します。

物流の2024年問題により、ドライバーの労働時間管理はこれまで以上に重視されています。
そのため、限られた人員と車両で輸送力を維持するには、1便あたりの積載量を高める工夫が欠かせません。
積載率を高めれば、少ない運行で多くの荷物を運びやすくなり、人手不足の中でも配送力をより安定的に保ちやすくなります。

一方で、無理な積載は安全面のリスクを高めるため、法令を守った範囲で改善を進めることが大切です。

積載率を高めると、同じ荷物量をより少ない台数や走行距離で運びやすくなり、燃料消費を抑えやすくなります。
そのため、CO2排出量の削減が期待でき、環境負荷の低減や取引先への説明材料にもつながるでしょう。
また、環境配慮を重視する企業姿勢を社内外に示す上でも、積載率の管理は有効な取り組みです。

一方で、効果を実感するには、便ごとの積載率や走行距離を継続して確認する必要があります。
数値を現場ごとに可視化すれば、削減効果を把握しやすくなり、持続可能な物流体制づくりにも役立つでしょう。

トラックの生産性を向上させる5つの改善策

トラックの生産性を高めるには、積載率だけを見るのではなく、運行管理や企業間連携、納品条件、車種選定、配送ルートを総合的に見直す必要があります。
そのため、現場で実行しやすい施策から着手し、継続して効果を確認することが重要です。

ここでは、トラックの生産性向上につながる5つの改善策を確認していきます。

トラックの運行状況と空き容量を正確に把握できると、空いた荷台を有効に使いやすくなります。
そのため、運行管理システムで位置情報や積載状況を確認し、ドライバーへの作業の進捗状況の確認だけに頼らない体制を整えることが重要です。

また、過去の運行データを見直せば、空車区間や待機時間が発生しやすい便も見つけやすくなります。
一方で、データを集めるだけではなく、得られた情報をもとに積み合わせや配車計画を調整し、車両ごとの余裕や遅れを現場全体で共有できる仕組みを構築する必要があります。

共同輸配送は、複数企業の荷物を同じ車両やルートにまとめることで、空きスペースを減らす方法です。
そのため、各社が個別に配送するよりも、少ない車両で同じ地域への配送を行いやすくなります。
積載率の向上に加え、燃料費や人件費の削減にもつながるでしょう。

一方で、企業間で納品時間や荷扱いのルールが異なると、運用が複雑になりやすい面もあります。
導入前に、対象エリアや荷物の条件、責任範囲を整理し、共同で使う情報の共有方法も決めておくことが重要です。

荷主企業と配送時間や受け渡し条件を調整できれば、荷物をまとめやすくなり、トラックの空きスペースを活用しやすくなります。
そのため、固定された納品時間や細かな納品条件を見直すことが、積載率改善につながるでしょう。
また、荷待ち時間を減らせれば、車両とドライバーの稼働効率も高まります。

一方の運送会社だけの判断で条件を変えることは難しいため、双方に利益がある形を示しながら、納品頻度や時間帯、荷姿の調整を少しずつ進めることが大切です。

平ボディとバンタイプでは、積みやすい荷物や適した積載方法が異なります。
そのため、車両規格だけで判断せず、荷物の形状や重さ、荷扱いのしやすさに合わせて車種を選ぶことが重要です。
例えば、長尺物や不定形の荷物は平ボディが扱いやすく、箱物や雨に弱い荷物はバンタイプが向いています。

また、車両選定の段階から積載効率を考えると、無駄な空きスペースを減らしやすくなるでしょう。
積載量だけでなく、荷台寸法や作業性もあわせて見直すことが大切です。

配送ルート最適化システムを使うと、配送先の位置や交通状況、指定時間を踏まえて効率の良いルートを組みやすくなります。
そのため、走行距離や待機時間を抑えながら、燃料費削減やCO2排出量の抑制につなげられます。

また、荷物量とルートを合わせて確認すれば、積み合わせしやすい便も見つけやすくなるでしょう。
一方で、システムを導入するだけでは十分な効果は期待できないため、配送実績を定期的に見直し、現場の声を反映しながら設定を調整することが重要です。

トラック積載率を最大化する積み付けをシミュレーションするなら「バンニングマスター」

トラックの積載率は、輸送コストや車両の稼働効率、環境負荷に大きく関わる重要な指標です。
しかし、荷物の重量やサイズ、荷台寸法を確認していても、実際にどのように積み付ければ積載率を高められるのか、空きスペースをどこまで有効活用できるのかを判断するのは簡単ではありません。
積付シミュレーションシステム「バンニングマスター」を活用すれば、トラック荷台への最適な積付パターンを自動で作成し、積載率の向上をサポートできます。

  • 積載可能量を事前に把握:トラック荷台にどれだけ積めるかをシミュレーションできます。
  • 最適な積み方を自動作成:荷物サイズや荷台寸法に応じた効率的な積付パターンを算出できます。
  • 積載率向上を支援:空きスペースを減らし、限られた荷台を有効活用しやすくなります。
  • 輸送計画の検討を効率化:事前に積付イメージを確認できるため、配車や積み込み作業の計画をスムーズに進められます。

トラック積載率の向上や、輸送効率の改善を目指す企業様は、ぜひバンニングマスターをご活用ください。

項目内容
サービス名バンニングマスター(Vanning Master)
主な機能積付シミュレーション、積載最適化計算、積み付け図作成
導入実績累計513ライセンス / 1,076社
対象業界自動車、電子部品、食品、建材、通販、官公庁など
導入メリット積載率の向上、物流コスト削減、人件費・作業負担の抑制

まとめ:トラック積載率の向上方法

トラック積載率を高めるには、積載率・積載効率・実車率の違いを理解し、現場の課題を数値で把握することが重要です。
そのうえで、共同輸配送や配送ルート最適化、荷主企業との条件調整、車両規格の見直しなどを組み合わせれば、輸送コストの削減やCO2排出量の抑制につながります。

人手不足や2024年問題への対応を進めるためにも、自社の運行データを定期的に確認し、できる改善から着実に取り組んでいきましょう。